STEM教育 STEM教育の本質

STEM教育とは2

 本ページでは,STEM/STEAM教育関係のいろいろを紹介していくことを一つのミッションとしており,いくつか関連する記事を投稿しております.一覧はカテゴリーページからご覧ください.
 この投稿ではSTEM教育とは何かを別視点から眺めている論文を示します.つまり,私がしているように類型から入ろうという目論見をしている文献です.以下,

 本ページは,Yu Xie, Michael Fang, and Kimberlee Shaumanによる「STEM Education」というタイトルの論文の訳を含んでおります.

基礎となる K-6 レベルでは,STEM 教育は全生徒に必須の数学と科学のカリキュラムと同義であり, 小学校レベルの「STEM 教育」に関する研究は,科学と数学への参加と成績全般に焦点を当てている.STEM教育は,教育レベルが上がるにつれ,カリキュラムがより専門的になることで,より具体的に定義されます.例えば,8〜12年生では,必修の数学と科学のカリキュラムに加えて,心理学などの社会科学,コンピュータサイエンス,エンジニアリングやテクノロジーの応用分野などの選択科目が用意されています(NGSS 2013).大学や大学院の教育は,もちろん,STEMまたは非STEMと定義される特定の分野のコースを中心に設計されていますが,教育経験や成果は特定の分野によって大きく異なるため,研究者はSTEMとされる特定の分野を区別する必要があります(Xie & Shauman 2003; Xie & Killewald 2012).

Yu Xie, Michael Fang, and Kimberlee Shauman(2015) 一部筆者修正

 彼女らのまとめによれば,学校段階・学年段階毎にSTEMには異なる定義があって良い.また,

STEM教育の定義には,一般的に2つのアプローチがあります.一つ目は,「STEM」と定義されるあらゆる分野の教育を含めることである.このアプローチでは,技術革新,競争力,長期的な国家の繁栄と安全保障を促進するために,多くの異なる分野が共通して重要であるという仮定に基づいて,多くの分野をひとまとめにしている(NAS et al. このアプローチでは,何がSTEM分野を構成するのかという問題には触れていません.例えば,全米科学財団(NSF)は社会科学をSTEM分野とみなしているが,米国移民税関捜査局がSTEM分野の外国人専門職労働者を対象とした特別ビザを決定する際の定義には社会科学は含まれていない(Gonzalez & Kuenzi 2012).2つ目のアプローチは,異なるSTEM分野間の論理的・概念的なつながりを重視し,STEM 教育を全体として捉えることである(Honey, Pearson & Schweingruber 2014).この定義では,異なるSTEM分野間のカリキュラムと教育的な一貫性が求められる.現在,全国のK-12教育で推進されている新しい次世代科学スタンダード(NGSS)(NGSS 2013)は,この視点を反映している.

同 Yu Xie, Michael Fang, and Kimberlee Shauman(2015)

 というように,政府組織間でも異なる定義を採用するなど,本当に多様ですね.日本で違うことは,受け止める側の学校が,統一した規準に基づいて実施しているという観が定着しているので,日本で同じ事が可能かと言われると,それはそれで違うような気がしますが,いかがでしょうか.

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