〇〇の本質という語は、〇〇とはなんであるかや、〇〇がとっている方法などのことを指している。とすると、前のノートのmodeの話も本質論。繰り返しになるが、STEMは小さな規模で超領域的な問題を提供できる、痒いところに手が届く方略の一つと考えている。だとすれば、技術の問題を解く方法として、エンジニアリングはmode2の方法論を指す言葉ということになる。今回は、技術の本質論としてのエンジニアリングについて書いてみることにする。
テクノロジー(技術)とは何か
それは、エンジニアリングの帰結としての製品、概念、方略。いわゆるソリューション。
※ちなみに、私らの界隈ではテクノロジーを技術と訳すのをやめ、そのままテクノロジーとカタカナ表記することになりました。
あらゆるニーズに合わせてソリューションを考えることをデザインと定義するならば、テクノロジーはデザインの結果としてもたらされた人間の要望、ニーズに応える何かということになる。必ずしも製品となり得る機械ばかりではなくて、アイデアや計画なども含んでいる。近頃のコンサルティングソリューションもテクノロジーである。
科学が自然界を相手にしているのに対して、テクノロジーは人間が作った世界:すなわちDesigned WorldあるいはMan made Worldのこと。
エンジニアリングとは何か
エンジニアリングは、テクノロジーがいかにして計画され、創られ、改善されるかの過程を説明し、その過程をもまた改善していくような繰り返しの過程を持っている。このとき、繰り返しの向きは双方向に変わりうる。この表現からすると,エンジニアリングとは,テクノロジーの本質の一部である.
帰結としてのテクノロジーとはでは何なのか。それは、人間の要望に応えて、自然を改変すること。すなわち、エンジニアリングがテクノロジーの過程であるならば、エンジニアリングには必ず自然の改変がついてくる。
コンサルティングソリューションが自然の改変を含むのか?ここまでくると、直接的に影響があるようには思えないかもしれない。とはいえ、人間の所業として、自然に影響のないものはない。
さてここまでくると、テクノロジーの本質として、一つのことがクローズアップされていることがわかるだろうか。
テクノロジーの本質:その核心
それは、全てのテクノロジーは人間に対する利益=要望に応えたソリューションを提供する一方で、自然に対する影響というサイドエフェクトを持っている。これもまた、テクノロジーの本質の一つだ。さらに、自然に対するサイドエフェクトのみならず、私たちの生活や考え方そのものにまで影響を与えているという事実がある。
さて、翻ってエンジニアリングの在り方を考えてみると、一体どんなニーズに応えるのかによって、エンジニアリングの在り方も規定されてくるということが分かる。これまでの技術は、人間の要望に応えようとする余り、サイドエフェクトについてあまり考慮されてはこなかった。まして、私たちの考え方そのものまでをも変えてしまっているとしたら、一体どんな技術と関わるか、あるいはどんな技術を作るか=どんなエンジニアリングをするのかが、私たちの生活や思考を左右している。
STEMにこれを落とし込んだとき、一体何ができるのか。今、ちょうど論文を書いていて、アメリカ人2人と日本人2人、そしてケニアからアメリカ定住が1人参加している。自分のアイデアで世界を巻き込んでいく。これが、次のライフゴール。