第2章の目標
第2章では,システムアプローチの歴史的な変遷に着目し,同時に徐々に複雑化していくシステムについての理解に合わせて,学習を進めていくこととする。この際,
・システムの構成要素の成り立ち
・構成要素同士の相互作用
・システム外部との相互作用
・全体としてのシステムの振る舞いの成立
といった4つのレベルで複雑性を高めながら,そのなかでシステムがどのように捉えられてきたかについて,理解できるようにすることが目標である。
第2章の概要
上記目標を達成するためにこの第2章では,まずシステムの構成要素である部分がどのように成立するのかから始まり,それがシステムの全体をつくりあげる部分と全体の関係を見ていく。またその際,各部分の相互作用が全体を構成していくことになるため,次に相互作用の性質に着目し,攪乱と均衡,フィードバックがそれを為していることに着目する,次にシステムが外部に開放されていることを前提に,外部からの変数がシステムにいかに影響しているのか,また,その影響がいかに選択されたものであるかを確認する。最後に,他から切り離されたシステムが,以下に自ら組織化していくのか,それが他との違いを産むのに以下にここまでに習った概念が関係しているのかを整理する。
その歴史は,大きく分けて4つの段階からなり,それぞれの時代において少しずつ理解が追加・改変されてきている。ここでは,それぞれの時代の主な言説を取り上げながら,環境との関わりを少しずつ説明することにする。実際に,これらの理解が環境の理解,環境問題への理解にどうつながっているかは,後の章に譲ることとする。
ここで紹介したい4つの段階は以下の4つの段階に分けられる。1つ目は,「部分と全体」をからなるシステムの構造,2つ目は相互作用と自己言及によってシステムを保つ「均衡理論」,3つ目は外部の世界との関係で自らを明確にする「世界開放システム理論」に関する理解,最後に4つ目として,他との関わりなしに,システムがシステムとしてどのように保たれていくかの理解に役立つ「サイバネティクス的システム理論」がある。これら4つの段階を考えていくうえで,先に紹介したシステムの理解を支援する概念のうちでも,特にパターンや構造,境界線,攪乱と均衡,フィードバック,閾値,更には選択,再生産や再参入,あるいはオートポイエーシスなどの概念が参考になる。以下では,システムの理論の変遷とともに,これらの概念についての説明を示し,よりシステムについての理解を深めていくことにしよう。
第2章を構成する項目へのリンク
・2-1. 部分と全体
・2-2. 均衡理論
・2-3. 世界開放システム理論
・2-4. サイバネティクス的システム理論