情報を調査(Investigation)のうえ手に入れて、それを評価(Evaluation)し、交流あるいは伝達(Communication)することは、探究のあらゆる段階で必要ですので、ここでは調査をする際に特に気を付けたいこと(前半)と、他のPracticeと関係づけて説明している部分(後半)とに分けて説明をしています。
調査をする際に特に気をつけたいこと
調査をする際に気をつけたいことは,以下リストのようにまとめることができます。AIが入ってきている時代ですから,その利用方法も含めて,簡単に説明していくことにします。
- 情報源は一つに絞らないこと
- 情報源の信頼性を確認すること
- AIに尋ねる場合は,その情報源を示させるとともに,情報源に自らアクセスして,その存在を確認すること
以下,一つ一つ確認していきましょう
情報源は一つに絞らないこと
恐らく,皆さんインターネットでの検索から始めるとは思いますが,その中で一つのページに書いてあったからといって,(たとえそれが権威ある存在のページだとしても)それを鵜呑みにしてはいけません。より重要なトピックであれば,いくつかの主体がそれについてコメントしているはずです。できれば,バックグラウンドの異なるいくつかの情報源を見つけ,それぞれの意見を参照しましょう。
例えば,環境問題に関して言えば,それが日本の政府機関が言っているのか,営利企業が言っているのか,アメリカの政府や企業が言っているのか,欧州の政府や企業が言っているのかによって,少しずつ表現は変わってくるはずです。また,中立的であると目される国連機関の示している情報でも,その意見が各国で受け入れられているかというのは,また別問題であり,そこまで俯瞰して観るためには,いくつかの主体の意見を観てみたうえで,自分の意見を考えるという段階が必要です。
情報源の信頼性を確認すること
このとき,「信頼性」というのは少し難しい問題です。「国や政府はこう言っている」という情報が正しいか正しくないかという問題と,「国や政府の言うことが正しいか正しくないか」という問題は,まったく別問題です。科学の本質をよく見なおしてもらえれば,「○○さんが言っているからこの情報は正しい」という言説は,必ずしも正しくない場合があることを,知っておくべきです。それでも,すべてを疑ってかかってしまっては,調査も進まないでしょうから,以下信頼性を確認する方法のいくつかを紹介します。
- 学術雑誌に掲載されている論文である
- (↑であれば,必ずあるはずですが,そうでないWebページ等だとしても)文末に参考文献リストが付いている
- 本文中に,参考文献の引用記号が書かれている文(情報)である
- 参考文献を自分で実際に確認したときに,そこに同じ情報が確かに書いてある
これらのことを確認したうえで,その情報を頼みにしてみるようにしましょう。また,このような作業が成立してきたからこそ,私たちの学問や文化は発展してきたわけで,これが成立しないなら科学や技術は破綻します。
AIに尋ねる場合は,その情報源を示させるとともに,情報源に自らアクセスして,その存在を確認すること
これが実際に破綻し得るのが,AIを参照したときに,AIが全くの妄想(ハルシネーションと言いますが,それ)によって,情報を提示してきている場合です。最近はかなり減ってきては居ますが,自分が文献を探してきたときと同じように,AIが示してきた情報の裏どりをする必要があり,それが成立しないならば,それは「AIが言ったから」といって,鵜呑みにしてはいけないというのは,同じ原則です。
そこで,AIに「○○ってなに?」と調べさせる際に,「必ず参照文献を示して」ということと「その際,参照先は必ず存在する学術論文等の信頼できるものにして」ということを追記することです。数回この指示を続けると,次から勝手にやるようになるようですが,しばらくの間は指示をするたびに,入力するとよいでしょう。
他のPracticeに関わるPractice8
ステップ1
人間の活動(テクノロジー)について調査する
こちらのステップ1は、Practice1「課題を明確にする」に関わる調査です。課題を明確にするには、該当する活動(テクノロジー)にまつわる背景を知っておく必要があります。特に知っておきたい項目をまとめると、以下のリストのようになります。調査の参考にしてください。
- 該当する活動(テクノロジー)がどんな経緯で開発されてきたか、その歴史について調べる
- 調べた中から、テクノロジー開発の前後で何が変わったのかをまとめる
- はじめてつくった人、つかった人の身になってその良さを考えてみる
これらの調査を通じて、