アクティブ・リスニング第４弾．今回はKing Nu「白日」を選んでみました．基本的には，スピーカーから流して，ダンスミュージック的に聴きたいんだけど，あえてヘッドホン．そして，細部を聴き込んでいきます．配信で聴くこと出来ます（以下リンクより）．
裏声とピアノとドラムと
「例えば～」からいきなり裏声．こういう男性ボーカルの曲って，なかなか昨今なかったよね．裏ではピアノが象徴的な音色で，シンプルな伴奏を弾いています．哀愁を感じさせるよね，このイントロ．そして，注意して聴くと，ボーカルが同じメロディを二重に歌っているのも聞こえるかな？
「戻れないよ～」からはドラムが入ってきますが，これ最初の方は打ち込みか，サンプリングで，途中途中，途切れがちっぽいリズムが特徴的．その昔，ブレイクビーツってのが流行りましたが，その感じを思い出させる．DJとかが，どこかのレコードから引いてきたドラムフレーズをループしているような印象．
後日談だけど，King Nuのドラマー勢喜遊は最高ってことがわかった（2020年9月26日追記）．
もう一つ，「戻れないよ～」の裏ぐらいから，ピアノっぽい音の低音が，左右にグルグル動いているのに気が付きました？おそらく，ヘッドホンやイヤホンで聴かないとなかなか気づかないと思うんだけど，結構脳をグリグリされる．
実際生のドラムが入ってくるのは，「今の僕には～」0:45～という感じなんだけど，一方で，全編サンプリングでやっているように聞こえるのは私だけかしら？
同じところから，その他の楽器が入ってきます．少しずつ聴いていってみましょう．
シンセでミョンミョン
一番気になってるのは，ミョンミョン鳴ってるシンセっぽい音．今の僕には～の同じところだけどその裏で，ギターでも無いけど，ピアノでもなく，おそらくキーボードっぽいもので，ミョンミョン言わせている．大体真ん中から，やや右側ぐらいの位置から鳴ってくる．
ギターもミョンミョン？
同じ今の僕には～のところでギターが鳴っているのも，意外と気づきにくい．ンチャカチャカチャカ，ンチャカチャカって感じで，ボーカルのメロディと近いフレーズが聞こえる．全くメロディぽい音は，ギターじゃないかも知れないんだけど，途中チャカチャカやってるのは，カッティングだよなって感じで，正体は不明．
ソロはギター，ベース＆ドラムのみ
さっきまでミョンミョン言っていたギターとベース，ドラムだけになるシンプルなソロ．2:48～しかも，非常に短い．
ギターは歪ませると同時に，ミョンミョンの原因であるワウを印象的に使ってのインプロビゼーション．その裏で，実はベースもソロっぽいフレーズを弾いています．始めのうちは違うフレーズを弾いているんだけど，段々ギターと同じ様なフレーズに近づいてきて，最後はドラムもシンクロした形でソロを終える．この曲の決めどころの一つですね．
ベースは？
じゃあそのベースは？って聴いていくと，曲中いろんなところで主張をなさっているので，一つ一つ聴いていってみましょう．
他と同じ様に「今の僕には」0:45～入ってきて，初めのうちはボボボボ～って似たフレーズを繰り返しています．
次にサビの裏ではブッブブ～って感じで，ドラムと一緒にはねた感じを演出するのに一役買ってます．
２番「戻れないよ～」からは，少しゆったりしたフレーズを弾いてますね．１番では弾いてない箇所なので，あまり主張しない感じですかね．
２回めのサビでは１回めよりも少し眺めのフレーズで，左右に揺れる感じにさせてくれますね．もちろん，その後のソロも含めて，ベースは結構多様なフレーズを曲通して聴かせてくれます．
結構ベースが，下ってくるフレーズを弾くので，跳ねているんだけど，落ち込んだ感じを演出してくれる箇所が結構ありますよね．特に曲の場面が変わるところで，ブリッジって言ったらいいのかな．つなぎのフレーズの中で，それを弾いてることが多い印象です．
やっぱり裏声とピアノだ
そして，やっぱりこの曲を作ってるのは裏声とピアノだっていうのを，強烈に示して終わりますね．
例えば，3:33～のボーカルソロ．あるいはその終わりの「そんなもんだろ～」辺りは，ボーカルさんの味が出てる部分かなと思います．もちろん，イントロもそうなんだけどさ．
さてということで，遅すぎる白日のレビューでした．
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