主張 風力発電の普及が成功している国として中国,アメリカ,ヨーロッパ諸国が挙げられる。上記の国と比較すると、日本では環境要因及び法的要因によって導入が遅れている。

証拠① 陸上風力発電で成功している国:中国、アメリカ ⅰ)中国における風力発電の現状   2021年の年間発電電力量の割合が7.8%   急速な成長を遂げたのは国を挙げての政策支援による (例:電力網への援助、競争によらない固定電力価格、費用分担、風力発電の割当額制度等)    ⅱ)アメリカにおける風力発電の現状   州レベルの政策やインセンティブ、再生可能エネルギーインフラの助成   北米最大電力会社との風力発電プロジェクト ⅲ)成功の要因   国レベルや企業での援助、政策がないと普及されない。

証拠② 洋上風力発電で成功している国:ヨーロッパ諸国  イギリス:2020年には国内風力全体の27%占める。EIA(環境影響評価)の義務付け。 デンマーク:2050年までにエネルギー供給をすべて再生可能エネルギーへ(風力の割合50%) 1991年に世界初の洋上風力パーク建設。電力市場の自由化によって個人での導入可能に。 【ヨーロッパで風力発電が成功している要因】 ・風況が良い:強い風がよく吹く(冬場の平均風速はおよそ9~10m/s) ・風車を利用する文化:風車メーカーの長年の技術的な蓄積 →より丈夫なものを作れる ・北海油田開発経験者を起用出来たこと ・コスト削減:様々な技術要素が複合している中で、特定のボトルネックを見つけて解消 →全体のコスト低減が図れるわけではなく、サプライチェーン全般にわたりコスト低減

証拠③ 日本 風力発電の導入量は、日本の発電エネルギー全体の中で1%程度 【普及が進まない要因】 ①環境要因:陸上では設置に適した平野部が少ないこと、洋上では遠浅の海が広がる欧州に比べて急に深くなる地形が多い。 その他、台風などの自然災害や日本の平均風速が他国に及ばないなどが挙げられる(日本の平均風速6-7m/s) ②政府、企業の対応:以前の日本政府の再エネ目標が国際的にも低かったことや 日本国内に大型風車メーカーが存在しない ③コスト:他国と比較すると、 日本の風力発電の買取価格が高額

日本での今後の取り組み ・IEAでは日本の洋上風力発電の設備容量は2040年に4GWと予測 →日本政府は同年までに30~45GWの導入目標を掲げている(全発電量の10%) ・日本企業では海外の大型プロジェクトへ積極的に参画 (例:欧州での洋上風力発電所向け海底送電事業へ三菱商事と中部電力が参画。)→日本企業の海外での経験を日本の洋上風力市場で今後発揮が可能となる。 また海外企業も日本市場に注目している。 (例:最大手オーステッドが2021年に秋田の洋上風力発電プロジェクトへの参加を表明)

推論 Reasoning 風力発電に成功している国の取り組みとして、 1.風力発電の設置が可能な土地や風量などといった環境が整っていること 2.政府が開発目標を示すことにより市場規模を示しつつ、開発地の調査や送電線の整備において役割分担を定める援助が行われていること 3.2による事業者の負担、また様々な技術要素が複合していることから、サプライチェーン全般にわたりコスト低減を目指すアプローチを行っている。 ことが挙げられ、日本ではこれらの条件を満たしていないが故に遅れをとっていると言える。

推論 Inference

推論Reasoning が正しかった場合 今後の日本の取り組みとして、1.自然環境への耐性を持つ風力発電技術の発展 2.海外共同プロジェクトへの積極的な賛同による技術力向上 3.サプライチェーン全体のコスト削減 を行うことが可能になれば、日本の風力発電導入の普及が成功する。

参考文献 ・欧州主要国における風力発電の現状と日本における風力発電事情「デンマークの風力発電事情」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh/73/3/73_278/_pdf ・経済産業省資源エネルギー庁「『将来はヨーロッパで最大の電源に~拡大する風力発電』―加藤仁 氏(前編)」https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/interview07katou01.html ・日本総研. 「中国、再生可能エネルギー14次5カ年計画が公表」. https://www.integral-japan.net/?p=33982 ・環境エネルギー政策研究所. 「2021年の自然エネルギー電力の割合」.https://www.isep.or.jp/archives/library/13774 ・ TSC Forest「風力発電分野の技術戦略策定に向けて」https://www.nedo.go.jp/content/100960323.pdf