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航空燃料の持続可能性

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水素を航空機利用する上で課題となっている点は何か?

・主張
水素を航空機利用する上で課題となっている点は大きく、
・『燃料貯蔵と燃料供給システムに関する課題』
・『NOx排出量増加の可能性』
・『水素の安全性と社会的受容性』の三つである。

・水素燃料貯蔵と燃料供給システムの課題 証拠①
・水素は液体でタンク貯蔵されるが、水素を液化させるためには−253度の極低温状態を保つ必要があるため、液体水素貯蔵用の極低温タンク開発が必要になる。さらに、タンク内部には二重構造と断熱構造に加え、液体水素の気化を防ぐ装置も組み込む必要がある為、幅と重量が大きくなることが予想される。また、燃料の量自体も従来のジェット燃料の4倍の体積が必要になると考えられている。このように従来機と比較して改善点が多く存在するため、飛行機自体の設計図を根本的に作り直す必要がある。
・従来機ではエンジンに直接燃料を送るため、燃料タンクが主翼部分に取り付けられていたが、上記で述べたように、燃料タンクの体積が従来機の4倍以上になることが予想されるため、タンクの位置を主翼から胴体部分へ変更する必要がある。この場合胴体のタンクから、主翼のエンジンまで安全に水素燃料を送るための燃料供給システムの開発が必要となってくる。

・NOx (窒素酸化物) 排出量増加の可能性 証拠②
・水素燃料は従来の燃料であるケロシンと比較して燃焼温度が高く、燃焼速度も速いという特徴がある。そのため、水素燃料をエンジン内部の燃焼器で燃焼させた時、逆火のリスクが高く、有害物質であるNOx(窒素酸化物)の排出量が多くなってしまうことが予想される。 これらを解決するため、従来のエンジン構造をもとに水素燃料用に逆火のリスクを無くした、新たなエンジン燃焼機とNOxを回収する機器(ベントライン)の開発が必要であると考えられる。

・水素の安全性と社会的受容性 証拠③
水素は燃焼や爆発などの危険性があるものの、特性を正しく理解し安全対策を行えば、化石燃料と同様に、安全な利用が可能であるが、現時点ではまだ水素の安全性が広く認知されていないことが課題であると言える。 水素燃料の利用に関してはまだ多くの問題点が残るものの、従来の燃料と違いCO2排出をしないため、今後、運送分野や産業分野など多くの分野で水素燃料が使用されることが予想される。早速近年ではアメリカや中国、ヨーロッパ諸国などで、水素社会実現に向けた目標の策定などがなされている。航空機国際共同開発促進基金は水素の社会的受容性に対して、このような水素社会実現に向けた取り組みがなされる中で解決できるものであると述べている。一方で、東京環境局は水素ステーション等に触れる機会を設け、水素の安全性と利便性を直接理解してもらい、水素に対するイメージを変えることが重要であるという考え方を示している。

・Reasoning 推論①
水素を航空機利用する上で、解決すべき課題とその理由づけ
・水素燃料貯蔵と燃料供給システムの開発は、水素燃料を航空機利用する上で最も重要な課題であると言える。従来と全く構造の違う水素用極低温タンクの製造により航空機内部の構造を根本的に変更せざる終えなくなったが、水素航空機の安全な利用のためには極低温タンクと燃料供給システムの製造は必須であり、今後の課題となってくると予想される。

・NOx(窒素酸化物)は物体が高温で燃えた時に発生する有害物質であり、呼吸などによって人体に取り込まれた際、喉や気管、肺などに様々な症状を引き起こし、人体にとって大変有害であると言える。また、NOxは光化学スモッグや酸性雨の原因にもなるため、CO2同様に環境への影響も懸念されている。そのため、NOx排出量の削減は今後の課題となってくるであろう。

・水素の社会的受容性を向上させることは、今後の水素社会実現に向けて避けて通ることのできない課題であると言える。如何にして、水素の安全性と利便性を人々に伝えていくかが今後の課題となってくると考えられる。

・​​Inference 推論②
・水素の航空機利用が実現しなかったら…
IPCCによると機体の燃費改善の結果1960年から2000年の40年間で約70%の燃費が改善された。しかし、それを上回る速度で輸送量が増加しており、結果現在までCO2排出量は増加し続けている。また、この国際航空の輸送量の増加は今後も続くと予想され、もし水素航空機が実現しなかった場合、今後も国際航空からのCO2排出量は増加し続けると考えられている。
・水素の航空機利用が実現したら…
水素の航空機利用が実現した場合、航空輸送によるCO2排出量は大きく削減され、それに伴い気候変動による経済損出を抑える効果が期待できる。また、現在水素を動力源としマッハ15の極音速飛行を想定した、自立無人航空機の開発が進められており実用化した場合、航空輸送に大きな革新が起こると予想される。

水素を調達する上での課題は何か

・主張(水素調達の課題点)
製造:効率よく大量生産する技術の不足
輸送:水素を小さな容量に、いかに多く貯蔵できるか
消費:水素を燃料とした航空機エンジン、設計の技術不足及び水素の備蓄や供給インフラ設備の不足

・証拠1(製造)
水素の製造方法は主に「グレー」「ブルー」「グリーン」などに色分けされています。
石炭や天然ガスなどの化石燃料を燃焼させてガスにし、そのガスの中から水素をとりだして製造する方法は製造時にCO2を発生することから「グレー水素」と呼ばれています。
化石燃料から製造し、発生したCO2を回収して地中に貯留したり、利用したりする技術と組み合わせることで、CO2 排出量を減らした水素を「ブルー水素」と呼びます。地中貯留は化石燃料や地下水を長期間封じ込めていたような安定した地層ならば、CO2の隔離も長期間可能なはずだ」という考え方に基づいています。
太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーを利用して水の電気分解で製造した、CO2を一切排出しない水素は 「グリーン水素」と呼ばれています。
グレー水素やブルー水素を導入し、その後安価になったグリーン水素に移行するというのが各企業の一般的なビジョンといえます。しかし、水を電気で分解するには大規模な量の電力が必要となるため、非常に大きなコストがかかります。

・証拠2(輸送)
水素をエネルギーとして活用するためには、たくさんの量を貯蔵する必要があります。しかし、水素は密度が低く空気中に放出するとすぐに広がってしまうため、水素を製造した後そのまま輸送・貯蔵するとなると、膨大なスペースが必要になり非効率です。よって、水素を小さな容量にいかに多く貯蔵し、輸送できるかが課題と言えます。現状の輸送方法は以下の通りです。
①高圧で圧縮して運ぶ
高圧で水素を圧縮し、高圧ガスとして輸送・貯蔵します。現在の水素の輸送手段としてはもっとも多く使われています。大量の水素を輸送する場合には、長尺の高圧水素タンクを搭載した専用のトレーラー (ローリー)で輸送します。しかし、高圧水素には金属に入り込み、脆くしてしまう性質があるため(水素脆化)、貯蔵用のタンクには通常の鉄を使用することはできません。特殊ステンレス鋼やアルミニウム合金などの水素脆化に強い材料を使ったタンクを使わなくてはなりません。
②低温で液化して運ぶ
水素は−253度まで冷却すると液化して体積が約800分の1になり、同じ体積でより多くの水素を運ぶことができるようになります。こちらも一般的です液化水素は、ロケット燃料のように液化水素自体が必要な場合や、大量の水素を輸送する場合に使われています。輸送の際には液化水素タンクを備えた専用のタンクローリー車や、液化水素タンクを備えたトレーラー用コンテナで運びます。水素100%であることがメリットであり、超低温を要することがデメリットです。
③パイプラインで運ぶ
都市ガスのように水素専用のパイプラインを使う方法は、大量の水素を輸送する場合に最適ですが、パイプラインの距離に応じて設置コストがかかります。現在の日本では、水素のパイプライン輸送は製鉄所で作られた水素を近隣の化学工場に輸送するなどの近距離利用に限られています。
④他の物質に変換して運ぶ
例としてアンモニアはマイナス34℃で液化可能であるため、その潜在的な可能性が期待されています。但し、アンモニアには毒性があるため、安全なシステムの構築が必要です。

・証拠3(消費)
航空機に搭載可能なレベルまで飛躍的な軽量化を達成したうえで、高度10,000mの上空という環境下において、マイナス253℃という極低温の液化水素を適切に貯蔵できる軽くて丈夫なタンクが求められています。
さらに、既存のジェット燃料と比較して、液化水素燃料は約4倍の体積が必要となることから、タンク配置など、機体全体の構造検討も必要となります。
同様に、タンクから安定供給するための燃料供給システムも必要です。
また、有害物質である窒素酸化物NOxの増加も挙げられます。NOx(窒素酸化物)は物体が高温で燃えた時に発生する有害物質であり、呼吸などによって人体に取り込まれた際、喉や気管、肺などに様々な症状を引き起こすことから人体にとって大変有害とされています。また、 NOxは光化学スモッグや酸性雨の原因にもなるため、 CO2同様に環境への影響も懸念されている。水素燃料は従来の燃料であるケロシンと比較して燃焼温度が高く、燃焼速度も速いという特徴があります。したがって現段階での水素を燃やすエネルギーは、CO2 削減の解決にはなるが、NOX 排出を削減するためには改善が必要になります。

・推論
・解決できなかった場合
今後も国際航空からのCO2排出量は増加し続けてしまう

・解決できた場合
CO2排出量は大きく削減され、それに伴い気候変動による経済損出を抑える効果が期待できる。また、現在水素を動力源としマッハ15の極音速飛行を想定した自立無人航空機の開発が進められており、実用化した場合は航空輸送に大きな革新が起こると予想される。

水素調達の成功要因は何か?

前提条件
現在、水素燃料はグレー水素、ブルー水素、グリーン水素の3種類に分けることができる。
グレー水素とブルー水素は石油が原料、グリーンは水を電気分解するため水が原料である。
グレー水素とブルー水素は石油を使う時点で持続可能ではない上、グレー水素に至っては、逆に地球温暖化を進てしまうのではないかという研究もある。
そう考えると、持続可能な社会を実現するにはグリーン水素が最も重要だと考えられる。
上記の理由から、ここでは、グリーン水素に絞り生産量やシェアを比較して考えた。

・主張
今⽇、グリーン⽔素のフロントランナー達は、経験値・開発環境・資⾦の3点で他の競合よりも優れている=これらが今現在わかる成功要素

・証拠1 経験の応用
・グリーン水素製造における主要3企業には、 Linde, Air Products, Shellが挙げられる。これらは全て石油系サプライヤー企業である。
・各企業のサイトによると、水素製造・輸送には、石油供給で培った経験を活かすことができるという。→つまり、パイプラインの整備やガス貯蔵、運搬に関するノウハウを持ち合わせている石油系サプライヤーは水素業界においても有利な立場にあると言える。

・証拠2 環境の整備
グリーン水素製造における主要国家として、中国・ドイツ・アメリカを挙げる。
①中国
コスト⽬標(⽔素⼩売35元/kg以下) や⽔素製造にあたっての⼆酸化炭素排出量の条件 (⽔素1kgあたりの⼆酸化炭素排出量が5kgを下 回る)を達成した際には奨励⾦は付加され、最⼤ 2億元(40 億円)が⽀給される。
②ドイツ
水電解による水素製造設備に対して、再エネ賦課金を免 除。加えて、再エネ由来水素等の大規模輸入に向けたサプライチェーン゚ 構築事業(H2 Global)を実施
③アメリカ
持続可能でない水素製造に明確な基準を設け、達成すれば税額控除される法律を策定。
これにより、2025年にはグリーン水素が最も安くなる見通し

これらの国家の特徴として、エネルギー安全保障を確保するため、明確な目標設定や法整備を行っていることが挙げられる。つまり、持続可能なグリーン水素を調達しやすい環境整備に注力している

・証拠3 資金支援グリーン水素上位国家を含め、欧州では政府がグリーン水素製造・開発を資金面で支援している。
①ドイツ
・水素開発全体の支援として、計213億ユーロ(2兆9820億円)を投入
・グリーン・(ブルー)水素の開発に対しては、90億ユーロ(1兆3000億円)を投入
・「H2グローバル」プロジェクトの開始→海外への積極的な投資

②イギリス
・グリーン、ブルー水素の製造支援として、90億ユーロ(1兆3000億円)を投入
・Net Zero Hydrogen Fund→低炭素水素生産プロジェクトの初期投資を支援(最大2億4000ユーロ=360億円)
→支援を受けるためにコンペに参加する

競争を促し、グリーン水素の発展に貢献している

・推論 1(Reasoning)
①既存のガスサプライヤーなどは、これまでのノウハウを活かせるから今日の水素サプライヤーとして成功している。
②政府によって法整備や目標設定されたから、グリーン水素を調達しやすい開発環境が整備された。
③政府による資金支援があったから、グリーン水素開発に参戦しやすくなった。それにより競争が促され、グリーン水素の発展につながっている。
→水素社会が実現し、気候危機やエネルギー安全保障対策が充実したものになる。
=自動車や航空機の燃料/製鉄時の還元剤/科学製品製造/水素発電など、様々な場面で水素を活用できる「水素社会」が実現する。多様なエネルギー源を保有することで、安定したエネルギー調達ができる。

・推論 2(Inference)
私たちの主張が正しければ、水素調達において、これらの三つが成功要素として考えられます。
・『経験値』
→水素を調達する上で、燃料輸送やパイプラインの整備、燃料の管理などには相当のノウハウが必要であると考えられる。あらかじめ石油などの調達実績があればそれを応用できる。
・『環境整備』
→グレー水素よりもコストや難易度が高いグリーン水素調達の開発には、利益が得にくく、企業はなかなか手を出せないのではないか?政府が目標設定や法整備を行うことで、企業に対し、グリーン水素開発をNUDGEできる。
・『資金支援』
→グリーン水素はまだ発展途上であり、主要なエネルギー源とするにはまだ開発が必要である。資金面で支援を行えば、スタートアップ企業なども参戦しやすくなり、開発競争を促せる。

水素開発企業にとっての障害は何か

・主張
水素開発企業にとっての障害は「法規制の整備・資金調達」である

・証拠1:法規制の整備①
水素に関する法整備が整っていない
➝事業目的によって、電気事業法/ガス事業法/高圧ガス保安法のいずれが適応されるか判断が困難

・証拠1:法規制の整備②
水素製造基地 適用法規未定
新設高圧パイプライン→適用法規不明確
①一般の需要に対するガス販売(複数の火力発電所や工場)➡ガス事業法
②発電のみ利用(火力発電所)➡電気事業法
③その他目的で高圧ガス(火力発電所や工場)➡高圧ガス保安法
④その他目的で高圧ガス以外➡ガス事業法(一部準用)
どの法律が適用されるかがわからないのが現状

証拠2:水素プロジェクトにおける事業リスク
①資本集約型であることに伴う事業リスク
➝実証から社会実装への移行では、大規模投資が必要・ブルー水素プラント:数百億円 グリーン水素プラント:数千億円 建設期間が長期にわたるため、資金投入から収益確保までに時間を要し、より長期・多額の資金調達が必要
②社会実装まで長期にわたることに伴う事業リスク
➝研究開発から量産プラントの商用化レベルまで、社会実装のために10年以上を費やすこともあり、長期にわたるコミットメントが事業主体に求められる・不足による操業リスクにさらされるため、事業の運営・継続に支障をきたすことが懸念される
③コスト競争力を有さないことに伴う事業リスク
➝水素がコモディティー商品であり、既存の競合製品に対して割高であり競争力がない 水素普及のための政策支援がない状況では、脱炭素技術としての水素の社会実装は難しい

推論1:Reasoning
水素開発企業にとっての障害の要因とその理由
①法規制の整備
→水素に関する法整備が整っていないため、水素の社会実装は困難であると考えられる。=水素事業法(仮称)が必要になる
②資金調達
→社会実装段階では、多額の資金が必要になると同時に事業リスクが伴うため、水素の需要拡大における大きな障壁だと考えられる

推論2:Inference
主張が正しかった場合…
・水素事業法が成立することで、水素開発が容易になるだろう
・水素が社会実装されるには、多額の資金が必要なため、国の支援・投資予見性を高める支援制度の検討がされるだろう

・参考文献
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・経済産業省「水素社会実現に向けた経済産業省の取り組み」2023年4月29日情報取得​​https://www.env.go.jp/seisaku/list/ondanka_saisei/lowcarbon-h2-sc/events/PDF/shiryou06.pdf
・経済産業省「令和3年度製造基盤技術実態等調査事業」2023年4月25日情報取得https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2021FY/000222.pdf
・航空機国際共同開発促進基金「R2-1 水素燃料航空機の研究開発動向」2023年4月25日情報取得http://www.iadf.or.jp/document/pdf/r2-1.pdf
・東京環境局「水素エネルギーの安全性と社会的受容性について」2023年4月25日情報取得https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/hydrogen/kaigi.files/suisokaigi_shiryou_02.pdf
・日本気象協会「(SDGs レポートVol.4)気候変動が経済に与えるリスクと対策」2023年4月29日情報取得https://www.jwa.or.jp/news/2020/05/9856/
・排ガス処理専門メディア「Nox(窒素酸化物)」2023年5月1日情報取得​​https://www.gasnical.com/gas_treatment_knowledge/nox.html
・AMP「超音速飛行機も水素で飛ぶ時代、水素飛行機をめぐる開発最新動向」2023年4月25日情報取得https://ampmedia.jp/2022/06/29/hydrogen-fueled-plane/amp/
・Bright「水素航空機で空の脱炭素を実現する?知っておきたい基礎知識から開発状況まで」2023年4月25日情報取得https://bright.nikkiso.co.jp/article/life/hydrogen-aircraft
・JAXA研究開発部門「航空機・将来宇宙輸送機への水素燃料の適用技術の研究」2023年4月25日情報取得https://www.ard.jaxa.jp/research/hydrogenfuel/hydrogenfuel.html
・TECH+「CO2排出削減と航空機(6)水素燃料エンジンの開発と課題」2023年4月25日情報取得https://news.mynavi.jp/techplus/article/aero_tech-321/

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